久しぶりに音楽ブログっぽいエントリだな。
最近エントリを上げていなかった「3 #nn」カテゴリ。このカテゴリは、私がハマったトリオバンドのどうでも良い思い出と熱くも無い想いを綴る独り言です。今まで、The Jimi Hendrix Experience、Johnny,Louis & Char、YMOと取り上げて来ました。今回は久々のエントリです。
実はずいぶん前から何を書くかは決めていたのですが、全然気持ちが乗らずに数ヶ月が経過。それが、このブログによくコメントを頂いているまるたさんの「POLICE観た」の一言で我に帰り、本日念願のPOLICEのネタをアップしました。って全然たいした事無いけどね。
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PerfumeがSHIBUYA-AXでワンマンライブを行った2月12日を前後して、ロック史上に残るバンドの再結成ライブが相次いで行われていた。
2.10 : Rage Against The Machine Japan Tour 2008 @幕張メッセ国際展示場
2.13 : THE POLICE LIVE in CONCERT @東京ドーム (2.14 追加公演)
Rage Against The Machineに関しては再結成という感じがしない。バンドの精神的支柱として圧倒的な存在感を発散していたザックが抜けてしまったために解散扱いとなっていたが、残されたメンバーはオーディオスレイヴとして活動していたし、そこに暫くどこかに行っていたザックが8年ぶりに帰ってきたって感じだ。(というか、今回はレイジの話ではないのでこのくらいで止めておく)
ところがPOLICEは違う。強烈な個性をぶつけ合い、そして分裂してしまった3人が再び集まりバンドとして正式に活動を再開したのは86年以来、実に20年ぶりだ。
実は私は「再結成」と言うものにとても否定的だ。再結成と聞くと、どうもソコに漂うビジネスの匂いを感じ取ってしまう。ワールドツアー、過去のアルバムの再発(お決まりのリマスタリング&紙ジャケ仕様)、各種企画本の発行。結局、昔からのオールドファンをターゲットにしたビジネスだろ。ライブも緊張感の無い適当な演奏にも関わらず、観客は「懐かしかったね」で納得する。そんな同窓会的な商売が大嫌いなんだな。(*1)
どうせ再結成するなら、昔を再現するのではなく、時間の空白を埋める作業をして欲しいんだ。もう「あの頃」に戻る事は出来ないのだから、「今しか出来ない事」をやって今の若い世代に向けてアピールして欲しい。そんな思いが強い。
だから、POLICEの再結成も正直言って期待していなかった。どうせ往時のキレのある演奏なんて出来ないだろうから、YMOみたいに21世紀の「今」の解釈で楽曲を再構成して聞かせて欲しいなあ、と言うのが私の気持ち。
ところが、昨年の「Live Earth」での再結成ライブをTVで観たときに、良い意味で裏切られた。3人が奏でる独特な空気感は昔と全く変わっていなかった。POLICEのライブ演奏は、ライブビデオ「Around The World」と「SYNCHRONICITY CONCERT」を持っていて共にテープが擦り切れるくらい観たのだが(*2)、20年以上前の演奏と比べても「あの質感」は失われていなかった。(*3)
THE POLICE - ROXANNE (LIVE@ N.Y LIVE EARTH)
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POLICEに初めて出会ったのは高校生の頃。NHKのFMで「話題のアーティスト特集」みたいな番組があって、そこでデビューアルバムのOutlandos d'Amourが紹介されて「Roxanne」がかかっていた。(*4)
その頃は友人達とバンドを組んでいて、私はギターを弾いていた。当時やっていたのは「風」とか「オフコース」みたいなフォークロックだったのだが、個人的にはJAZZ・フュージョンに傾倒していた事もあり、POLICEの音に触れてもあまりなびかなかった。ただ、スッカスカな音の間に見える妙な緊張感というか、今まで味わった事の無い独特な音世界はずっと気になっていた。
POLICEの音世界の根幹を成すものはレゲエだ。そこにタイトなロックの8ビートを被せて、1曲の中に疾走感と浮遊感の両方を併せ持つ独自の音世界を構築する。さらに最小の楽器構成から紡ぎ出される絶妙な「間」。何だろう、音の行間に漂う「侘び寂び」にも似たセンス。そこにはスチュアート・コープランドの緻密なスティックワークだったり、アンディ・サマーズのバッキングセンスだったり、腕の確かなトリオバンドだからこそ醸し出す事が出来る絶妙なグルーブがあった。
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POLICEのコピーバンドをやろうと思い立ったのは「Synchronicity」の頃かな。普通の大学生をやっていた時期。その当時はPOLICEにはそこそこ興味が有ったがMTVとかでフツーにPVを眺めているだけ。それが、ある日、授業もバイトも無く部屋で一人呆けて居た時の事。テレビでPOLICEの特集をやっていて、PVやら今まで観た事の無かったライブ映像やらが流れていて、それを観ているうちにテレビに釘付けになってしまい、気が付いたら貸レコード屋に走っていた。そしてRoxanneやMessage in a Bottleなどの過去の楽曲を聴き直しているうちに見事にハマってしまった。(*5)
で、バイト先の後輩達を半強制的に巻き込んでバンドを結成。私はベースを担当した。別にスティングになりたかった訳じゃない。Walking on the Moonのベースラインを弾きたかっただけだ。でも、結局それはバンドでは演奏しなかったけどね。
Walking on the Moon
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POLICEは80年代を代表するバンドのような印象が有るが、実は活動時期からすると70年代後半から80年代前半に掛けての7年ほどしか活動していない。音源もほぼ年1枚ペースで計5枚のオリジナルアルバムを残しているのみ。にもかかわらず「ビッグアーティスト」として記憶に残っているのは、やはりEvery Breath You Takeの大ヒット(グラミーの最優秀楽曲賞)とアルバム「Synchronicity」の完成度の高さ所以であろう。
各アルバムの印象はそのままバンドの進化の過程でもある。個人的な感想だが、デビューからGhost in the MachineまでのPOLICEがいびつな不等辺三角形だとすると、Synchronicityは非の打ち所の無い正三角形に見える。
1978 : Outlandos D'Amour (->@TOWER.JP) |
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1. Next to You 不等辺三角形の最も鋭角な部分を下にして地面に突き刺さっている感じ。揺れながらも辛うじてバランスをとっている危うさ。 |
1979 : Reggatta De Blanc (->@TOWER.JP) |
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1. Message in a Bottle 不等辺三角形が神懸り的なバランスを保って静止している状態。 |
1980 : Zenyatta Mondatta (->@TOWER.JP) |
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1. Don't Stand So Close to Me そのままの状態で不等辺三角形が肥大化する。 |
1981 : Ghost In The Machine (->@TOWER.JP) |
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1. Spirits in the Material World 肥大化した状態に耐え切れなくなり、最終的に倒れてしまう。 |
1983 : Synchronicity (->@TOWER.JP) |
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1. Synchronicity I 一旦、全てをバラバラにした上で三角形を再構成して正三角形を作り出し、底辺を下にして立ち上げる事で抜群の安定感を見せる。 |
POLICEのアルバムの中で一番のお勧めは?と聞かれれば即座に「Synchronicity」と答える。
理由は簡単。楽曲、アルバムの構成、音、全てにおいて高い水準であり、POLICEの最高傑作と言えるだろう。捨て曲が一切無い類まれな良盤である。その反面、私個人としては一番面白みの無いアルバムでもある。完璧すぎて非の打ち所が無いのだ。初期のPOLICEに観られた「危うさ」は影を潜めて「大人の鑑賞に堪えられる重厚感、安定感のある仕上がり」になっている。もはやそこに在るのは歪なロックのエナジーでは無く崇高な芸術品だ。グラミー賞を獲って当然なのである。(*6)
それでは一番印象に残るアルバムは何かと問われれば「Outlandos D'Amour」を選ぶかな。いや「Reggatta De Blanc」も捨てがたい。(*7)
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しかし、POLICE再結成もワールドツアーも知っていた。ちゃんと知っていたのだが、PerfumeのSHIBUYA-AXだったりP.T.Aイベントだったり、3人娘を追いかけているうちにオッサン3人組を見失ってしまい、気が付いたら後の祭りだった。来日の事実にも気付いていなかった。P.T.Aイベントの後、新潟に帰宅し、何気にネットを眺めていたらこの記事に出くわして「?、、。!!!!!」ってなった次第。
多分、きっとこの先も縁が無いんだろうな。これらの事実はPOLICEが自分のなかで既に終わってしまっている証だな。
(BGM 「Message in a Bottle」 : The Police)
注釈:
(*1)これって、テレビで見たSex Pistolsの再結成ライブに端を発している。昔の幻影を夢見た私が愚かだった。当然と言えば当然なのだ。私と同じように彼等も年を取ったのだからね。今年もまたやるみたい。
(*2)実際に再生し過ぎでテープがよれて使い物にならなくなった。ってかベータだ(笑&涙)。
(*3)演奏のキレ具合は比べるだけ野暮。でも、スティングの声とスチュアート・コープランドのドラムテクニックは全く衰えていないのな!
(*4)記憶が定かではないのだが、TOTOの「Hold the Line」もその番組で聴いた気がする。その頃良く聴いていた音楽の趣味から言ってもPOLICEではなくTOTOに興味が涌いたことは言うまでも無い。
(*5)ハマり方がPerfumeと一緒だな。オレって昔からこうだったんだな。The JAMについても同じようなハマり方だった。The JAMについてもそのうち何か書きます。
(*6)ホントにオレって天邪鬼だなあ。
(*7)っても、POLICEの曲ってどれも「救いようの無いくらいに寂しがりの情けない男の歌」ばかりなんだけどね。「ガラス瓶に”寂しくってたまらないんだよ”ってメッセージを入れて海に流したら、、、、」とか、「君が傍に居ないと立っている事もままならないよ、、、」とか、「俺らぁひとりぼっちだあ」とか。日本語訳を見ているとはっきり言って痛い。
LPでは4thの"Ghost In The Machine"があるけど、聞けないし…。
それでも曲名だけで音が聞こえてくる脳内ipodは作動するので、おそらくダビングしたカセットが、デッキと一緒に処分されたのでしょう。メジャーな作品はどこかで借りれるから自分で買わないとか、当時から他人任せのあさましい奴だったんですすいません。
それでも唯一の公式ライブ盤"LIVE!"('79と'83年の2つのライブを聞き比べられるのでよい!)とか、STINGがジャズ界の名手を集めた"Bring On The Night"、そしてレゲエ界からのトリビュート盤が発掘されました。
後の年代のが多いのは小金ができた経済状態もあるんでしょうけど、自己診断すると、本音はポリスそのものが好きなわけでもなく、彼らをきっかけにレゲエとかジャズへの扉が開かれたことで、ポリスは自分にとって大きな存在になったのかもしれません。
でも3rd「ゼニ」が私は一番好きだ。歌詞もほとんど思い出せるぞ。しかもvaioのセーラー服CMを見ながら「高校教師」の世界を妄想しちゃったりするわけですよ。イタスギ
こんにちわ。
実は音源に関してはアタシも人の事を言えなくて、Synchronicityが出たときに貸レコード屋で全アルバムをコンプリート。全てカセットテープにダビングです。今だにそのテープを聴いていますよ。20年以上経つけど意外と長持ち。いや、ウソウソ。今はiTunes Storeで配信されているのでベストを購入してPCで聴いてますよ。
Ghost In The MachineのLP大事にしてください。私のPOLICEベストトラックは「Every Little Thing She Does Is Magic」なんですよ。アルバム自体は発売当時は酷評されたんですよね。
そうか「高校教師」かw
邦題って面白いですよね。このタイトルを付けた人、良いセンスしてるわ(笑)
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困った事にPerfume成分が多目です。彼女達の親御さんとは間違いなく同世代です。ちなみにP.T.A.会員です。
ホントに御免なさい。
御用命は「lstd_rd の yahoo.co.jp」まで。