洋楽中心に音楽を漁っていた中学生の頃は、日本語で歌われるロックやフォークなどをカッコ悪いと思っていた。「なんか違うよなあ」って感じで。そんな小生意気なガキに衝撃を与えられる日本のミュージシャンは山ほど居たのだが、出会うきっかけが無かったのだろう。そんな時に、NHKという公共の電波に乗せて地方在住の少年に強烈なパンチをお見舞いしたのがサウス・トゥ・サウス(*1)とChar(*2)だ。たしかNHKの特番のスタジオライブだったか(記憶が定かではないが、NHKであったことは間違いない)、TVから流れてきた音のカッコよさに身体が震えたのを覚えている。とにかく、双方とも高い音楽センスと演奏テクニックで、調子こいた厨房を黙らせるに充分なインパクトを持っていたのだ。この出会いは、結果として、サウス・トゥ・サウスは私の音楽的嗜好を「黒人音楽寄り」の方向へ傾けさせ、Charは「ギターが弾きてぇ」な衝動を高まらせる事になった。
(注:ちなみに、その”カッコいい日本語の楽曲”とは「むかでの錦三(*1)」と「空模様のかげんが悪くなる前に(*2)」です。ただ、この辺の記憶が曖昧で、2組同時に出演していたかどうかは不明。サウス・トゥ・サウスと上田正樹のソロを勘違いしている可能性があり。)
さて、今回はCharの話。
Charは類まれなギターテクニックとセンスを持ちながら、見た目が「カッコ良いから」男性アイドル歌手と同列に扱われた悲しい歴史がある。デビューアルバムが近代日本ロック史における金字塔的な衝撃度と完成度を持っていたにも係わらず、その後のセールス的な大人の都合で無理やり「気絶するほど悩ましい」とか「闘牛士」といった歌謡路線をやらされていた(と思われる)。さらに、アイドルの登竜門でもある「8時だよ全員集合」でコントをやらされたりとかね。とにかく、その当時は「Char」が好きだと言おうものなら「えーっ?」って言われたものだ。「何故に女子にキャーキャー言われている男性アイドル歌手に興味があるん?」みたいにね。あの頃、音楽家としてのCharを正当に評価していた人がどれほど居ただろうか?
見た目の印象とやっている事の内容にギャップがあると正しい評価をされないのは世の常なのだろう。完成度の高い楽曲を歌い、ライブでは最高のエンターテイメントを提供しながらも、パフォーマーとしての存在価値には触れられず、「アキバ系萌えアイドル」として一括りで語られてしまった”某テクノポップアイドルユニット”に似ていなくも無いね。(まあ、そうやって括ってしまって自ら距離を置いたのは、かつての自分でしたが、、。)
さて、Charはそんな状況を打破するために、バンドサウンドに拘った新たなアプローチで、過去との決別を計った。それが、Johnny,Louis & Charだ。このユニットは後に「Pink Cloud」と名前を変えるが、日本のロック史上で最高の3ピース・バンドとして語り継がれる事になる。
メンバーはChar(G,Vo)の他に、ジョニー吉長(Dr)、ルイズ・ルイス加部(B)。音楽性もテクニックも高く、さらにメンバー全員がイケメン。
今回セレクトしたのは、そんな彼らのライブ音源「Free Spirit」だ。
このアルバムは、1979.7.14 に日比谷野音で行われた伝説の「フリーコンサート」を収録・編集したもの。 |
さて、Johnny,Louis & Char(後にPink Cloud)は1994年に解散するが、彼らのDNAが別の形で受け継がれているのが興味深い。
そう、RIZEだ。Charの息子のジェシー、そしてジョニー吉長の息子の金子ノブアキ。彼らはRIZE結成以来の中心メンバーとして今も活動を続けている。
機会があったらJohnny,Louis & Charの「Free Spirit」のアルバム裏面を見て欲しい。そこにジェシーと金子ノブアキが居るから。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
困った事にPerfume成分が多目です。彼女達の親御さんとは間違いなく同世代です。ちなみにP.T.A.会員です。
ホントに御免なさい。
御用命は「lstd_rd の yahoo.co.jp」まで。