そのうちやるかもしれない「チック・コリア特集」の前振りでは無いですが、メモって事でチック・コリアの名曲「Spain」を集めてみました。
「ジャズには名曲は無い。名演があるのみだ。」と言う言葉がありますが、Spainはメロディや構成、印象的なリフなど楽曲としても素晴しいモノです。だからこそスタンダードとして多くの人に演奏されているのでしょう。様々なジャンルで色んな人がカヴァーをしています。
今回のエントリではチック・コリア本人の演奏だけでは無く他のアーティストの演奏も交えて、ジャズに拘って選んでみました。
Return to Forever
先ずはオリジナルです。全てはココから始まりました。ギター少年だった頃はこれを聴きながら耳コピに励む毎日でしたね。
Chick Corea Electric Band
オリジナルのReturn to Foreverから30年以上が経過した、(多分)現在のSpain。かなり力が抜けたリラックスしたプレイ。序盤はまったりした感じだけど、それぞれのソロが進む辺りから「火が点く」感じに。当時は若手だったElectric Bandのメンバーもこの20年の間にみんな老けたなあ。frank gambaleは容姿が変わりすぎだ。
chick corea acoustic trio
こちらはよりジャジーなアコースティックセット。チック・コリアは70年代にはStanley Clarkeという若手を発掘してReturn to Foreverで歴史的な名曲Spainを世に送り出しましたが、80年代にはDave WecklとJohn Patitucciという素晴しい人材を見つけて来ました。若手の発掘においてもジャズ界に貢献しているのではないでしょうか。
Al Jarreau
これはAl Jarreauの歌版。本当に素晴しい歌声。これが歌版Spainの基準点だと思うので、Spainを歌いたいシンガーはAl Jarreauを超えるモノを聴かせて欲しいと思います。って超えられる人が居るのかって話ですが。最高到達点だな。
このライブはバックバンドのメンバーも凄すぎで、たぶんマルタ兄さん大興奮だと思う。ってか、ライヴ・アンダー・ザ・スカイ’90のこの会場に居ませんでしたか? Joe SampleのきらびやかなピアノソロやSteve Gaddの超絶ドラムソロと合わせてお楽しみください。
John McLaughlin & Paco De Lucia
これは、まさに「スペイン」ですね。変態ジャズギターの巨匠John McLaughlinとフラメンコギターの巨匠Paco De Luciaの夢の競演。怒涛のソロの応酬をお楽しみください。
Giulio Carmassi
これは検索中に偶然発見した変り種。Giulio Carmassiという人が全て一人で演奏しているSpain。ネタ的にも楽しめますが、これだけ色んな楽器を演奏できるのって楽しいだろうな。他にも色々有るみたい(http://jp.youtube.com/user/giuliocarmassi)
ESEBE version bass& drums duo
これもネット検索の過程で発見。SERGIO DINARTE(B)とBETO ZAMORA(Dr)の2人組だが、ヤバ過ぎる!!
SERGIO DINARTE(http://www.myspace.com/gruposigno)はエルサルバドルの人。
やっぱ、南米って人材の宝庫だなあ。
Chick Corea & Hiromi Uehara
最後に上原ひろみとのデュオを。チックコリアの庭で女の子が遊んでいる感じがします。
以上、やり始めるとキリが無いのでこの辺で。
追記:
昨年のReturn To Forever再結成ツアーの映像を参考資料という事でリンクを貼っておきます。
http://jp.youtube.com/watch?v=gxC5Ng13af8
正直言って、あんまり萌えないなあ。
追記2:
色んな時代のSpainが有りますが、今回Youtubeで発見したもので一番良かったものはコレです。
http://jp.youtube.com/watch?v=1RHzCQIvMyo
ブログに埋め込めないのでリンク先で堪能してください。これもかなり豪華な第2期Return To Foreverにゲストプレイヤーを交えた70年代ジャズフュージョンなテイスト。やっぱ、コレだな。
残念ながら90年は行ってません。思い出したくない過去もあるんで、名指しはやめてくださいw
もちろんチック・コリアの来日公演も行けません。でもここを見てる人が興味持つかもしれないので、触れておきましょう。どなたか身代わりに行ってきてください。
http://www.bluenote.co.jp/jp/sp/250.html
で、ここから他人のブログで暴れますが、spainをカバーするなんて無謀なことを、私の愛するw島袋寛子ちゃん(元SPEED)がやっちゃってるので、弁護させてもらいます。
「歌いたいシンガーはAl Jarreauを超えるモノを聴かせて欲しい」となると、誰も歌うことが許されない幻の名曲となって、その人とともに葬られてしまうんですね。それだけはいかんじゃろう?
音楽が、パフォーマンスを披露した後には、人の記憶に残るだけという無形文化財ではなく、CDをつくって絵画や彫刻のように「作品を残す芸術」になってくると、どうしても過去の名作と比較されがちですが、それは次の世代の機会を奪う危険も含んでいます。
これが演劇であれば、忠臣蔵でもベル薔薇でも、過去の名優の名演にかなわないことを承知で、次の世代がどんどん再演に挑み、彼らの成長の糧にしてゆくのですから、音楽でそれを許されなくなったら窮屈だなと。
過去の名演のレベルに達していなくても、そこに挑戦することに意味があると思うんですよ。だいいち当のジャロウ本人でも、今でもあのレベルで再現できるとは限らないのですから。
で、島袋寛子のカバー版も、正直言ってイタさを感じる部分はあるんです。でも偏屈マニアっぽく「もっと修行して出直してこい」…みたいには批判したくないんですね。そういうのが、中年おばさんしかジャズを歌ってない現状を作り出したんだぞ…と。
もっとオープンマインドなものこそジャズだろ?新規参入は歓迎しようよと、限られた人だけが演じて聴くような現在のジャズ界の閉塞状況の中で思うわけです。
ぶっちゃけていうと、明らかに勝ち目のない挑戦をして、自分の歌唱力の限界を恥ずかしげもなく晒してみせた寛子ちゃんは偉いんだぞ!宮沢りえのヌード並みに勇気ある行為なんだぞ!…と反論するための理論構築してみました。長くてすいません。
そうそう、島袋寛子がカバーしていることは情報検索の過程で知りました。聴いてみたいですね。
「Al Jarreauを超えるモノ」はもちろん心意気ってことですよw。だって超えようにも現在の最高到達点だと思うし。100mなら9.6秒代だから。確かに、記録と共に葬り去るのはイカンですね。メキシコオリンピック幅跳びのビーモンになってしまう。
いや、別に「演奏レベルや歌唱スキルがどうの」といっている訳ではありませんよw。誤解を与えてしまってスイマセン。
挑戦することに意義があると言うのはもちろんです。でもせっかくやるなら「その人にしか出来ない」味というか色というかオリジナリティがあると惹かれますよね。だからこそ「名曲は無く、名演のみ」なんだと思います。
さらに言うなら、やっぱパフュのジェニーの如く「自身の持ち歌」にするくらい、本人にもソレを聴くファンにも愛されるものになって欲しいと思います。原曲を愛している身には、「とりあえずやってみた」的なモノだと、ちと寂しいっすよね。
アル・ジャロウ版って彼が作詞をしているんでしたっけ。ボーカルカバーを最初にした人だと認識しているんですが、間違っていたらゴメンナサイ。
今回貼ったカバーの中で一番面白かったのは南米の2人組「ESEBE」のやつですね。まあ、スタンリー・ジョーダンのベース版と言えばそれまでなんだけど、荒削りで勢いのある演奏と、服装のダサさと、朝方の通りの少ない道路を占拠するゲリラっぷりがイイです。バックで教会の鐘の音らしき音が入っているあたりがなんともいえない。それと、思いのほかしっかりしているドラムの演奏。
世界って広いなと思いました。
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困った事にPerfume成分が多目です。彼女達の親御さんとは間違いなく同世代です。ちなみにP.T.A.会員です。
ホントに御免なさい。
御用命は「lstd_rd の yahoo.co.jp」まで。