とっくに旬を過ぎてしまいましたが、とりあえずレビュー。
初聴きした印象を思い出してみました。
「精度が上がった」
そんな感じがしました。何の精度かというと、音の感触だったり、楽曲の構成やアレンジだったり。
バンドとしての成長がみられるとか纏りが良くなったとかじゃなくて、アルバム4作目にして「サカナクションとしての精度が上がった」と。何が言いたいのか良く解りませんが、漠然とそんな感じがしました。
ホント相変わらず意味の無いレビューでスイマセン。
アルクアラウンド
目が明く藍色
kikUUiki<初回盤> (->@TOWER.JP) |
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基本的には今っぽいダンサブルな4つ打ちロック。しかし、サカナクションの肝は和風なヨナ抜きメロディと文学的な詩の世界だと思っているので、むしろコレは70年代直系のプログレッシブ・ロックなのではないかと。
『一触即発』期の四人囃子(*1)が35年後にタイムスリップしてクラブカルチャーと出逢ったのがサカナクション。と、あえて言わせていただく(適当・笑)
今回のアルバムで気に入っているのは、
*アルクアラウンド : これぞ日本のロックという感じ。でもメロディはアレだけど歌詞の微妙なニュアンスは欧米人には伝わらない気がする。
*表参道26時 : なんか、バブル期のJ-歌謡風味で逆に新鮮。
*目が明く藍色 : コーラスワークが冴えわたる。今時このようなボヘミアン・ラプソディ風なロックシンフォニーをやろうとする発想自体が前世期プログレだ。(*2)
楽曲のキャッチーさから言えば前作の「シンシロ」を超えていない様にも思われますが、今作の「kikUUiki」は作品としての完成度の高さが感じられて、普通に良いアルバムだと思います。バラエティに富んだ内容で単なるダンスロックなバンドで終わっていないあたりが懐の深さを感じさせるし、なによりサカナクションとしての精度が上がっています(くどい・笑)。
注釈:
(*1) ひょっとしたらNSPかもしれん。案外これはフォークなのかも。
(*2) そう言えば以前のアルバムにも合唱風やロックシンフォニー風な楽曲がありましたね。サカナクションはこういうのが好きなんだね。
このアルバムを聴いて、コレは本物だと思いました。
Delphic - Counterpoint -
Delphic - Doubt -
Delphic - This Momentary -
「Acolyte」: Delphic (->@TOWER.JP) |
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Track List |
初めてネットでCounterPointを聴いたのが、ちょうど1年前の今頃。
FMusic(http://fmusic.sakura.ne.jp/download/)経由でYoutubeに上がっ た適当な映像に音源を載せたPV(?)を観たのが最初でした。
実は、その時はあまりピンと来なくて、他の音源への期待を込めてMySpaceをブックマークしたくらいで、特に音源蒐集等の行動には至り ませんでした。
はてな界隈で名前を目にするようになったのは5月くらいかな?
それがきっかけになって、今度はYoutube音質ではなくBeatportでダウンロードしたMP3(320kbps)音源で再度CounterPointを聴いてみると 、初聴時の印象と違って聴こえました。
ピンと来なかった原因は簡単に言えば「パンチが無い」って事だったと思うのですが、ちゃんとした音源で聴いてみると、むしろ「繊細 さ」が際立って聴こえて来て、それが好印象に変わりました。何とも上手い表現が見つかりませんが、「ちゃんとした感」と言うか、そんな感じでした。
「丁寧に作られて慎重に配置された音の上にキャチーなメロディラインが載っている」と言うイメージ。
このアルバムですが、収録曲はどれもDelphicの「音の特徴」がよく表れていると思うし、なにより耳に残るメロディラインが良いですね。
ウチの嫁は「Friendly Fires的なNew Order」と評しましたが、なるほどそう来たか(笑)。
マンチェスター出身というプロフィールを出すまでもなく、彼等は10年代に現れた「若い頃のNew Order」なのだな、きっと。正統的後継者の誕生により、あの人達も安心して老後を過ごせる事でしょう(意味不明)。
とまあ、相変わらずのいい加減なレヴューですが、こんな感じでどうでしょう。
倅も無事に退院し、我が家の生活が彼を中心に回っているので「直角二等辺三角形TOUR」のDVDなんて観ている余裕がありません。ここしばらくは懲りずに倅の生誕記念ネタが続くと思いますので、御容赦ください。
うちの倅は「おっぱい飲んで、ウンチして、寝る」という重要なルーチンワークを懸命にこなしている最中です。
* * * * * * * * * *
さて、子供は4歳くらいまでは「胎内の記憶」が残っていると言われています。なので、倅と会話ができるようになったら、彼が胎内に居た頃の話をいろいろと聞きたいと思っています。
胎教のために胎児に音楽を聴かせるのは良くありますね。しかし、なんで揃いも揃ってモーツアルトとかヒーリングミュージックとかなのでしょう。
「たとえ、パンクだろうがデスメタルだろうが、母体がリラックスできる音楽が一番良いんじゃね?」
と言うのが嫁の持論なので、我が家ではありきたりの胎教音楽を聴かせる様な事はしませんでした。
とは言うものの「やっぱりクラシックとか聴かせた方が良いのかな?」と嫁が心配していたので、ベートーベンのピアノソナタを掛けてあげたら「あ~、それ、聴き飽きた。」と一蹴されましたがねw
それ以来は「嫁が聴きたい音楽をお腹の子供も一緒に聴く」といった感じで出産までの数か月を過ごしました。
嫁が聴きたい音楽ですからね。
「オアシスから始まってフー・ファイ、プロディジーやケミスツ、果てはゴア・サイケ、みたいな。」
こんな音楽ばかりを聴かされて育ったわけですね。ただ、お腹の子供がそれらの音楽に反応したかどうかは別の話。
ある時、嫁が風呂上りで寛いでいる傍で私がディープハウスやテックハウスを回して遊んでいると、子供が『もにょもにょ』とリズミカルに胎動を始めた事があったのね。
「この子オアシスとか聴かせても何にも反応しないのに、ハウスを聴かせると動き出すんだ。やっぱアンタの子だわね。」と、お腹の子供が自分の趣味に同調しない事を悔しがる嫁。
しかし、そんなウチの子供がどの様な状況下でも聴かせた途端に如実に反応する曲があったのね。
Them Crooked Vultures - New Fang -
コレを聴かせると必ず嫁の脇腹がモコモコっと盛り上がるくらいに大きな胎動を示したのです。嫁が痛がるくらいの激しい胎動。たぶん、お腹の中で暴れていたんだと思う。
その時、彼はモッシュピットに居たのか? それともドラムを叩いていたのか? それとも『こんなのオレの趣味じゃない』と激しく抵抗していたのか。
いずれにしても、その尋常ではない反応の意味を是非知りたいんですよ。
「ねえ、母ちゃんのお腹の中に居た頃、この曲を聴かせると暴れていたみたいだけど、何をしていたの?」
で、『ドラムを叩いていたんだよ』と答えたら即座にキッズ用のドラムセットを買い与えようかと(笑)
こうしてまた一人、親バカが増えて行くわけですね。
「Them Crooked Vultures」: Them Crooked Vultures (->@TOWER.JP) |
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一応解説しておくと、ゼム・クルックド・ヴァルチャーズとは、フー・ファイターズのフロントマンであるデイヴ・グロール(Dr)と、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのジョシュ・オム(G)、そしてレッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズ(B/Key)という豪華メンバーによるロック・バンド。
これは人生の経験を積んだ大人が奏でる骨太な「大人のオルタナティヴ・ロック」です。(適当・笑)
私はグランジには全く興味が無かったのでニルヴァーナの全盛期には別の所に居ました。なので、アメリカンロック界きっての人格者と言われている「デイヴ・グロール」との出逢いはフー・ファイターズ以降になります。
しかし、彼がクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのゲストプレイヤーとしてドラムを叩いている姿を見て激しく萌えてしまってからは、ギターを抱えたロックスターとしての彼ではなく、ニルヴァーナ期と同様の「ドラマー」としての姿を楽しみにしているんですね。
あ、倅に「デイヴ・グロールのようなドラマーになれ」と期待をしている訳ではないので、念のため。
追記:
笑い飯のネタの「鳥人」って、この人達だよね。
追記2:
ゼム・クルックド・ヴァルチャーズに全く触れていなかったので加筆しました(笑)。
今日のエントリは、私が最近気になっているタンザニア出身(?:未確認)の男性ボーカリストRobert Manosのアルバム「Angel Road」です。
私がTerry Lee Brown Juniorにハマるきっかけになった「Wait」で印象的な歌声を聴かせてくれたのがRobert Manosです。彼の歌声に魅せられて以来Beatport等で音源探索を続けていたのですが、昨年アルバムが発売されている事を知りCDを仕入れました。
A.O.R.と言う言葉を知っている世代向けの、大人のエレクトリック・ポップ。
「アダルト・オリエンテッド・エレクトロニカ」
敢えて言うなら、こんな感じですね。
Robert Manos
- Mole Listening (http://www.mole.de/eng/Releases/release2.php?kid=mole082-2)
- MySpace (http://www.myspace.com/robertmanos)
Robert Manos - nobody -
Robert Manos - First Born Love -
「Angel Road」 : Robert Manos (->Amazon.co.jp) (->iTunes) |
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低く垂れ込めた雲と延々と広がる真っ白な雪の地平。目を閉じると瞼の裏に広がるモノクロームの世界。
一切の感情を排除したかのような冷たいバックトラックに載せた彼の少しばかりハスキーでドライな声質は、凍て付いた氷の世界さえ連想させますが、歌い方が実にエレガントで柔らかく、独特の空気感で包み込んでくれます。音数は少ないながらも奥行きが深く丁寧に作られたトラックと、心地良い彼の歌声を是非聴いてみてください。上質なチルアウト・サウンドに仕上がっていると思います。
Robert Manosは自身のリーダーアルバムの他にも、ドラムンのアーティスト「SEBA」の作品にヴォーカリストとして参加しているトラックが有るのですが、こちらもお奨め。単品でBeatportでDLしたりしているのですが、アルバムを探してみようかと思います。
メジャー第2弾はフルアルバム。
07年の暮れからインディーズ~メジャーを通して既にアルバム4枚という結構なペースでリリースしています。
http://www.ohashitrio.com/
大橋トリオ - Winterland -
大橋トリオ - 僕と月のワルツ
あぁ、吉高さん、、、。
「I Got Rhythm?」 <初回限定仕様/特典付> : 大橋トリオ (->@TOWER.JP) |
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フォーキーかつジャジーなテイストの「大橋節」はここでも健在で、スタイルを崩さない一貫性は流石。この味は彼にしか出せないでしょう。
私はインディーズ第1弾の「PRETAPORTER」に収録されたDearest ManやGravityを聴いて思わず泣いてしまいそうになったのがきっかけで大橋トリオを聴くようになったのですが、メジャー以降の音を聴いていると、インディーズ期に見られた「人生のやるせなさと翳り」が薄れてきて、「人生を楽しむための大らかさ」にフォーカスし始めたのかな、と言う感じがしています。
(と言いつつも、この辺は自分でもなかなかの誤認だと思いました。(苦))
しかし、アルバム4枚の間に、他のアーティストへの楽曲提供、映画音楽やCMなど、ヤスタカなみに「生き急いだ感」がしていますが、大丈夫でしょうか?
追記:
大橋トリオが次のアルバムに収録する洋楽カヴァー曲をmusic.jpにて募集中だそうです。
ぜんぜん路線の違う曲をどの様に料理するかを見てみたい。
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困った事にPerfume成分が多目です。彼女達の親御さんとは間違いなく同世代です。ちなみにP.T.A.会員です。
ホントに御免なさい。
御用命は「lstd_rd の yahoo.co.jp」まで。