だいたい、なんで「ivy;」なんだろう。発売されたのは9月だし、とうに旬は過ぎているし。今 Q;indiviを取り上げるなら、先日リリースされたJ-POPのハウスカバー「Q;uriosity」にすればよいのにね。(*1)
まあ、乗り遅れや出遅れに関しては私の右に出るものは居ないでしょう。Perfumeが良い例だ。リニアモーターガールで出会っておきながら、ACのCM出演決定のニュースで再会するまでPerfumeのパの字も出なかったんだからね(笑)。
さて、Q;indivi。先日のエントリ「ivy; ep : Q;indivi」で一応レビューを試みたのですが、どうも自分で納得がいかないところがあって、気になっていたのですね。Q;indiviを単純にHOUSE NATION系オサレハウスなブームで片付けて良いものかと。
アナログ盤「ivy; ep : Q;indivi」に収録されていた「Voices」を聴いたり、iTunesで「ivy;」の試聴をしたりしているうちに、「ちゃんと聴いてみないと評価できないな」と感じて、「Baby cruising Love / マカロニ」をフラゲしたついでにHMVで「ivy;」を購入したわけです。
で、結論。
Q;indiviは打ち込みやボーカルエフェクトによる仕上げからエレクトロのフォーマットで括られるかも知れないけど、多分、田中ユウスケがやりたい事は「オーガニック・スタイルなPOP」だと思うのだ。パッと見は無機質でも、実際に肌で触れてみると思いのほか柔らかく暖かい感触。コットンの肌触り。中田ヤスタカ(というかcapsuleとPerfume)が「ソリッドでプラスチックな感触」に拘りを見出したのとは対照的。中田は一貫して4つ打ちで、変化球的に最近はR&B風なダウンテンポを用いているが、田中ユウスケの場合はPOPが前提として存在しているのだろうか。「ivy;」を聴いてみると、Q;indiviが紡ぎ出す世界は、アッコースティックな音色が全体を包むフォーキーな楽曲から、ビート重視で重厚なグルーブを持つものまで実にバラエティに富み、4つ打ちは単なる表現手段の一つでしかない事が判る。どの曲もQ;indiviならではの世界観を表現しているし、トラックもしっかり創り込まれている印象を受けた。特筆すべきはストリングスが実に効果的に使われている事だろうか。
ただ、残念なのはCM前提で作られた曲が多いのか、尺が短いのね。「She Like Electric」は2分に満たないし、「Tuft」にいたっては45秒。しばらく浸って居たくなる様なハートウォーミングな世界観が有る曲なので、アルバム収録時には3~4分で再構成して欲しかった。
Q;Indivi : 「ivy;」 |
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<DISC1> <DISC2> |
発売された昨年秋の段階で入手していたら、オレ的楽曲アワード2007年のランキングに間違いなく影響を与えたはず。まあ、これも運命。ここしばらくはQ;indivi(田中ユウスケ)関連のリリースに注目してみたいと思います。
(BGM 「Voices」: Q;indivi)
ivy;ep(アナログ限定盤) |
注釈:
(*1)「Q;uriosity」は選曲がベタ過ぎて結構キツい。原曲が苦手な曲もあるし、多分買わないな。レンタルであれば手が伸びるかも。
2008年最初の音源レビューは、昨年12月24日にリリースされたQ;Indiviのアナログ盤「ivy; ep」です。年末にシスコで買い置きしていたブツがようやく到着しました。
Q;Indiviはご存知の方も多いでしょう。http://ja.wikipedia.org/wiki/Q.,indivi
あちこちで名前を目にしていたのですが、ちゃんと聴いたのは今回が初めてです。iTunesで音源配信していたんですね。知りませんでした。Avexなんで高いですけど。(*1)
さて、今回のアナログは昨年9月にリリースされたアルバム「ivy;」からセレクトした3曲とVoicesのハウスRemixを加えたフロア仕様になっています。
目玉は「Voices <Q;Indivi House Remix>」ですかね。キラキラ系ハウスのお手本みたいな曲作り。雲の切れ間から覗く太陽を目指してゆっくりと飛んで行くみたいな。音数も程よいバランスだし、及川リン(*4)のボーカルも優しく響いて、好印象。
まあ、辛口なコメントをさせて頂くと、曲の質感が元気ロケッツのHeavenly Starと全く一緒なのがね。Q;Indiviを仕掛ける田中ユウスケは元気ロケッツの中の人と言っても過言ではないので、これは致し方ないか(*2)。
では、リード曲以外はどうだろう。他の楽曲を聴いてみると、音がまんま「Capsule + i-dep + Freetempo」風なんで、こっち方面を中心に聴いているリスナーは頭の上におっきいクエスチョンマークを載せてしまうかもね。でも、最近のオサレハウスの流れの中に居ながらも、しっかりとQ;Indiviらしさを出しているし、ラウンジ・ポップの美味しい部分をしっかりと押さえている。乙女ハウスの発展系で「キラキラ・ハウス」っていう新しいジャンルの登場を期待させる、そんな「ハマりそうな予感」も有り。
自分的には、爽やかさと心地良さならQ;Indiviが一番しっくり来るかな。(*3)
楽曲そのものもなかなか良いです。中田同様、コンポーザーとしてのセンスはあると思います。
って「田中ユウスケ」と「中田ヤスタカ」って名前からして見たまんまだなw
Q;Indivi : 「ivy; ep」 |
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1.Voices <Q;Indivi House Remix> |
このアナログ盤はすごく綺麗なブルーの透明盤。見ているだけでも爽やかな気分。
(BGM 「ComeBAby <Hn's I-Dep Remix>」:Q;Indivi こっちかよ(笑))
ivy;ep(アナログ限定盤) |
注釈:
(*1)なんで Avexだけ高いんでしょうか? 1曲200円、アルバム1枚で2,400円!!
だったらCDパッケージを買うってえの。そうか、それがAvexの戦略か。
(*2)ついでに言うなら、この際、元気ロケッツ=Q;Indivi feat.Lumi で良いんじゃないかと(笑)。
(*3)いまいち言いたい事が伝わらない文章だったので一部書き換えました。日本語難しあるよ。やっぱ、生粋の縄文人には現代の日本語で文章を書くのは無理だな(笑)。
(*4)「及川リン」って、どこかのVOCALOIDの名前みたいだね。こんな感じの声質はどうだろう?
旬を過ぎてしまったようですが、まあ良いじゃないですか。オレらしいなあ。
向井は好きです。
NUMBER GIRLはそれほどハマらなかったし、 ZAZEN BOYSもそれほど興味が涌かなかったけど、向井秀徳のキャラクターには惹かれるものがあった。発想とか視点とか、他の誰とも違う国士無双なイメージとか。
ZAZEN BOYSを意識し始めたのは「USODARAKE」だったと思うが、変拍子ド変態ファンクに脳天をカチ割られたという事実があったものの、自分自身ソレについて行くことが出来なかった。
ところが今年の秋の事。スカパーの夏フェス特集でZAZEN BOYSのライブを観て、「やっぱ、オレは向井が好きなんだ」と実感し、俄然ザゼンに興味が涌いてきた。で、本日に到る。
向井に怒られるかもしれないが、40代以上のオヤジに解りやすいように説明すると、ZAZEN BOYSは21世紀の四人囃子だと思う。他の誰にも真似の出来ない高い音楽性とその先進性に通じるものを見た。
ZAZEN BOYS - I Don't Wanna Be With You <紙ジャケット仕様盤> |
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1.I Don't Wanna Be With You |
I Don't Wanna Be With You : ZAZEN BOYS
DARUMA : ZAZEN BOYS
90年代以降の日本のロック界に降臨した「鬼才」と呼ぶに相応しいキャラクターは、小山田圭吾と向井秀徳しか居ないと思っている。
今回も全くレビューになっていないですね。オレらしいなあ。
という事で、明日は今年最後のエントリ、「俺的音源アワード2007」をアップ予定。
(BGM 「I Don't Wanna Be With You」 : ZAZEN BOYS)
追記:
ZAZEN BOYSをlast.fmでタグを付けようとした時にすごく悩んだ。
「rock」では括れないし、「alternative」も「experimental」もピンと来ない。そこで、「MUKAI」というタグを付けた。向井以外のナニモノでもないなと。
以前のエントリで、「思いのほか良いです的な音源 - 2007年上半期」という企画をやってしまい後悔してます。何故かと言うと、下半期もやらないと納まりが悪いから。
しようが無いので下半期もやります。来年はやりません。「思いのほか良かった音源」に出会ったらそのつどアップしよう。
今回は2007/07 - 2007/12までに出会った音源(リリース日基準ではなく、私が手に入れた日が基準。念のため)の中で当初の期待値以上の”何か”を与えてくれた音源の中から「ボーカルがユニーク」な作品に的を絞って紹介します。
Without Waste (Original Mix) :M.A. Campayo |
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Hallelujah (Original):Dr.Kucho! |
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Gjeloshaj 1862(Santiago Salazar Mix):DJ 3000 |
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Robson Ponte : Reinhard Voght |
はい、以上です。
来年はどんな音源に出会えるでしょうか。
(BGM 「Holy Grail」 : FrancescoPico)
発売から1ヶ月近く経ちますが、ようやくレビューします。
「The Endless Polyrhythm Lovers(KGS MUSHUP) 」が一部のパフュ・ヲタの間でパーティアンセムとなっているらしいですが(ホントか?)、元ネタのCHERRYBOY FUNCTIONです。
今日は「CHERRYBOY FUNCTION EARLY WORKS 1999-2002」を紹介します。
タワレコに発注していたのですが、発送が遅れに遅れて、発売から2週間程経った12/8に到着しました。
ま、自分への誕生日プレゼントのつもりで受け取りましたけどね(笑)。それもこれも、一緒に発注していた、Hernan CattaneoのMixCD「Sequential-2」(輸入盤)が入荷に1ヶ月近くを要したからです。
(発注受けてからCDをプレスしていたのか?)
そんなこんなで、最近になってようやく「CHERRYBOY FUNCTION EARLY WORKS 1999-2002」をフルで聴きました。
感想は一言で「楽しい」です。
Something Electronicでも感じた「シニカルな陽気さ」でいっぱいですね。そもそもチェリーボーイって名前自体ふざけてるしね。
今作はEARLY WORKSなので、権田山一雄、K.G.& THE DIGITAL "X" TASY CREW、kunio matsushitaそれぞれの名義で発表された音源をセレクトしてコンパイルした内容。
全体を通して、ふざけんなってくらいに音がチープ。その「いなたさ」がまた良い。
中でも権田山一雄シリーズだね。8bitサウンド好きにはたまらないと思う。特に「鈍行列車にゆられて」が秀逸。イントロがとっても緩い。でも、パーカッションの音が被さって来る辺りから、いい感じのグルーブに包まれる。
それに「The Endless Lovers」のオリジナル(?)も切ないくらいにキュートなチップチューン。抱きしめてやりたくなるほど可愛いよ。
チェリーボーイ、やっぱ、ダタモノでは無い。紛れも無くクセモノ。
CHERRYBOY FUNCTION EARLY WORKS 1999-2002 <初回生産限定盤> |
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DISC [1] - CHERRYBOY FUNCTION EARLY WORKS 1999-2002 |
なお、初回盤には「2004-2007」の近作レア音源が収録されたCDがおまけで付いてます。こっちもかなりお奨めッス。カッケー!
(BGM 「鈍行列車にゆられて」:権田山一雄)
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困った事にPerfume成分が多目です。彼女達の親御さんとは間違いなく同世代です。ちなみにP.T.A.会員です。
ホントに御免なさい。
御用命は「lstd_rd の yahoo.co.jp」まで。