DJはVJをやっていた当時から興味が有った。でも、その頃住んでいたアパートは狭くて物も多かったためDJ機材を置けるスペースなど無かった。なので、カタログを眺めて妄想するのが関の山だった。
自分の家を建てる事が決まったとき、真っ先に考えたのはDJ機材を設置するためのDJブースだった(*1)。コレはなんとしても実現したかった。その結果、我が家の設計テーマは「DJブースのある家」になった。
もし渡辺篤史の建もの探訪に登場するような事があれば、ラテ欄には「DJブースのある家」として紹介されるだろう。(ナイナイ)
さて、DJを始めるには機材だけ有ってもダメだ。音源が無ければならない。当時ネットであちこち見て回っているときに印象に残った言葉があって、
「初めは機材を揃えるよりも音源を揃える事を考えよう。先ずは自分が好きなジャンルのレコードを100枚揃えてみる。」
確かにその通り。レコードが無ければ始まらない。で、色々と買い揃えて行くうちに、先日1年掛けて揃えたアナログ盤が100枚を超えた(*2)。最近ようやく自分の耳に合うレーベルやリミキサー/プロデューサーがなんとなく絞り込まれてきた気がする。
そんな矢先である。通販でお世話になっているシスコ・レコードが全店舗閉店し、今後は通販事業に特化するとの事。この話題はネットでも多くの反響を呼んだ。Perfume関連で良く巡回する「Aerodynamik - 航空力学」さんの所でも想いが語られていたし、「3つのしんきょく」さんはシスコ閉店関連のまとめサイトを紹介されていたし、「中田ヤスタカさん大好き日記」さんの所では中田のアナログに対する考え方がインタビュー起こしで紹介されていた。
アナログ盤は今後どのような運命を辿るのだろう。
実はDJ修行に身を投じた直後から、色々と気になる事があった。
1.サイケデリック・トランスはアナログ音源はリリースされず、殆どがCDだ。
2.Bedrock(*3)のアナログ盤は何時も品切れ。新作も殆ど入荷しない。@シスコ
3.hrfq.comの音源ダウンロード販売サイトではBedrockがたくさん配信されているじゃん。
4.SASHAはアナログ盤から完全に離れて「Ableton Live」を稼動させたPCとSASHA専用コントローラによるデジタルDJセットへ移行した。
5.Hernan CattaneoのDJプレイはCDのみだ。あれ、木村コウも?
つまり、アナログからCDやPCなどのデジタルフォーマットへの移行が加速度的に進んでいると言う事だろう。
でも、アナログ盤が世の中から消えてなくなる事が有るのだろうか?
原音再生原理主義の皆さんは「原音再生にはアナログ盤である事が絶対条件」と答えるだろう。それはそうだ。変換bit数やサンプリング周波数をどこまで上げたとしても、デジタルサンプリングは「時系列的に連続して変化する電圧を、一定の時間を区切って数値に置き換える」行為だ。数値化できずに間引かれてしまった音は、CDなどのデジタルファイルには入れてもらえない。その結果、どのようなサウンドシステムを通したとしても、ファイルに入れてもらえなかった音を再現する事は不可能なのだから、デジタル音源で原音再生を行うことは出来ない事になる。
でも、最近のレコーディングって、殆どがデジタル録音ですよね。そうすると入力される音そのものが既にデジタル変換されているため、デジタル録音とデジタル編集で製作された音源をアナログカットした所で、既に原音再生が不可能な状態になってしまうんですけど。
そんな事情も踏まえて、未来への読み違えに絶対の自信があるアタシ(*4)の予想。
アナログ盤を再生する装置はそのまま残るだろう。ただ「家が一軒買えるほどの値段です」みたいな超高級オーディオ分野へ需要がシフトして行くかもしれない。また、原音再生に拘わる人達は50年代~70年代にリリースされたアナログ録音で収録されているクラシックやJAZZの名盤をコレクションしていると思われるので、アナログ盤を修復したり保存するための技術が発展するかもしれない。
アナログ盤自体は新作のリリースが次第に減って行き、将来は間違いなく消滅すると思う。需要の低下に加えて、製作や流通の為のコストを考えると、コンシューマーユースのリリースは終焉を迎えるに違いない。
一方のCDについても、現在のCDフォーマットは無くなるだろう。だが、デジタル音源の最終フォーマットはビットレートやサンプリングレートが現在よりも引き上げられ、人間が変化を判別可能な閾値まで行く可能性がある。しかしその場合のファイル容量が膨大になるため、圧縮技術も含めてファイルフォーマットに変化が生じるだろう。
さて、基本的に「選曲」が商売のテクノやハウスのDJ達はCDなりPCへ移行できるが、擦ってナンボのターンテーブリスト達はどうする?
Vestaxのヴァイナルレコーダー(http://www.vestax.jp/products/recorders/vrx2000.html)の需要が増えるのか? どうだろう? だったら、新しい発想で作られたデバイスを使用した、新しいスクラッチテクニックの登場を期待したくなる。たとえば、DENON DN-HS5500(http://plaza.rakuten.co.jp/powerdjs/diary/200712230000/)はCD媒体ではなくデジタル音源ファイルをコントロールするためのデバイスだ。
しかし、アナログ盤を扱ってみて感じたのだが、アナログの良さってただ単に「デジタルを優に超えるダイナミックレンジ」だとか「ノスタルジックな味」だとか「絵になるカッコよさ」だけでは無い。30年以上前からアナログ盤と付き合い、レコードの溝に針を落とすという行為を繰り返し行って来たが、いざDJプレイを実際に行ってみて気付いた事がある。アナログ盤は「音出し」を考えた時に、直感的に操作できる実に良く出来たインターフェイスなのだ。レコードに刻まれた溝の模様を見ただけで音圧の変化が判別出来るため、「次の曲はブレーク明けの部分から繋ぎたい」時には、溝の模様が変化する、その「境界」付近に針を落とし、レコードを前後に回してキック音の鳴り出しを探すだけでよいのだ。当然この動作は慣れれば慣れるほど精度が上がって行くし、レコードの溝の模様を眺めただけで曲の構成が大まかに判別出来るようになる。
デジタルファイルでコレと同じ事を行うには、全体の波形を元にして視覚的にプロフィールを判別出来るようにすることが必要だが、これ自体は既にデジタル音源編集ソフトに実装されている。だが、アナログ盤の場合はソレに加えて、盤が乗ったプラッターと呼ばれるターンテーブル上の回転台や、アナログ盤そのものを手で直接触る事で、盤の回転を自在にコントロール出来る。この操作性は魅力的だし、このおかげで超絶スクラッチ技が可能になるのだ。
こういった直接的操作をPC上で再現するには、SCRATCH LIVE(http://item.rakuten.co.jp/dj/serato-scratch-live/)のような専用のインターフェイスが必要になる。(もっともコレ自体はコントロールヴァイナルと呼ばれる専用のアナログ盤とソフトウェアでデジタルファイルを操作するというものなので、インターフェイスとして先進的な発想があるかと言われれば、うーん、、、。)
延々とアナログ盤の未来について考察してきたのだが、オチは何かと言われても特に無い。
このエントリをアップしようと思ったきっかけは、シスコの店舗閉店の他に実はコレ。
CHERRYBOY FUNCTION SOMETHING ELECTRONIC EP(アナログ限定盤) (=>@TOWER.JP) |
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1.the endless lovers[505] 12"Mix |
あー、コレ絶対買う!(^_^)v 12インチ用MIXだよ!
中田ヤスタカはアナログ盤への興味を無くした様だが、この時代にアナログに拘る人もまだまだ居るのだ。
(BGM 「ORGANISED GREEN (7th Gate Remix)」 : KEN ISHII)
注釈:
(*1)ただし、実現させるための引換えとして嫁に出された条件は「キッチンはTOYO KITCHENの3Dシンクにする事」だった。かなり値が張った。おかげでDJミキサーのランクを下げざるを得なかった。(RODEC MX180 Limited が ECLER NUO3 になった。でも、コレはこれで気に入っているので、まあいいや。)
(*2)今日、さらに13枚をシスコに発注した。だって年末セールなんだもん。もう病気だな。「タバコをやめたので月1万は音源代に回せるな」って言っても、住宅ローン抱えて家計もキツイので来年は少し控えるよ。
(*3)Bedrockはプログレッシブというジャンルにハマるきっかけになったレーベル。木村コウのMIX-CDが全ての始まり。http://lstd.blog.shinobi.jp/Date/20071209/
(*4)自慢できるよ(笑)。
初めて買ったビデオデッキはベータ。
初めて買ったゲーム機はセガ・サターン。
初めて買ったPCはApple Power Macintosh 7100/66AV。
くそう! 思うツボだな(笑)。SNOOZER買っちゃったよ(*1)。
いろいろな反応がありますね。Perfume関連のブロガーさんのところで上がっているエントリを読ませていただいて、書いてある内容は大体想像が付いたんだけど、、、。
Aerodynamik - 航空力学 : 田中宗一郎×野田努、Perfumeをdisる@snoozer 2008年02月号
http://d.hatena.ne.jp/aerodynamik/20071220/p2
オレモリ!! monch71編 : パフュームをディスる SNOOZER#65
http://d.hatena.ne.jp/monch71/20071220/p1
とりあえず読んでみた。
まあ、筋金入りのロック・ヲタ(田中宗一郎)にはアイドルは響かないし、音楽の知識とセンスで高校時代から女の子にモテモテなスカした野郎(野田努)はアイドルに深く関わった事が無い。だから、アイドル・ヲタの立場から言えば「ロックオヤジにアイドルの的確な分析なんて到底無理なんだ」ってことになるだろうね。
実際、御二方ともPerfumeのライブも観た事が無いだろうし、周辺の事情も含め深くリサーチをしたことも無いと思うんだ。(あくまで想像だけど)
だって、年間に何百、何千ものロックを聴かなければならないのだから、そんな時間なんて無いって。だから、ロック好きなオヤジの的外れな意見だと思ったほうが良いかも知れないよ。でもそういった意見を真摯に受け止めるのも大事。パフュ・ヲタではない一般人の意見に近いかもしれないからね。
たぶん、二人ともオレと同世代だと思うが、ウチら昭和30年代後半から40年代前半生まれって、学生運動に乗り遅れた世代だ。だから、そういった有り余る10代のエネルギーを何にぶつけたかって言うと、当時の宝島に代表されるロックを中心としたオルタナティブカルチャーか、GOROやBOMB!とかおニャン子に代表されるアイドルカルチャーのどちらかだったと思うんだ。オレは両方?(笑)。でも、野田さんアイドルは必要としていなかったみたいな事を言っているけどホントかな? 彼女が居た高校時代でも、GOROとか平凡パンチや週間プレイボーイのお世話になっていないって、絶対に言わせないけど(爆)。
話が横道に逸れた。
別にPerfumeはdisられていないよ。disられているのはむしろ、Perfumeファンの側だろう。憂国の士の立場から見てただただ「キモイ」と。何とかならんのかと。でも、インディーズ期ならいざ知らず、女子大生のPerfumeをロリコン文化と結びつけてしまうのは如何なものかと思うよ。
それよりも、音楽専門誌なのに楽曲の事には何も触れてくれないのね。それが残念でならない。
(語る価値も無い? だとしたら中田がかわいそうだ。)
しかし、二人ともPerfumeファンに彼らと同世代の40代オヤジが存在するなどと夢にも思うまい(笑)。
まあ、fewpocoさんが私の気持ちを代弁してくれているので、最後にこのエントリを紹介して終わる事にする。
ぽこにっき〔出張所〕 : snoozer 2008年2月号を1行も読まずに思ったことを書く
http://d.hatena.ne.jp/fewpoco/20071221/p2
Perfumeは、やっと地上に這い上がって来たんだ。世間的には、まだ、始まったばかり。
これから本物になって行くんだよ。
(BGM 「Walking on the Moon」 : The Police )
注釈:
(*1)SNOOZERを買った理由。
1.向井の記事をじっくり読みたかった。
2.Best Albums of the Year 2007
(レディオヘッド扱いデカスギ。50枚のうち「くるり」しか聴いてないよ(笑))
3.立ち読みでPerfumeの記事探せなかったから(爆)
追記:
モジモジ君、お風呂に入りながら観たよ。お風呂テレビは良いねえ。プチ・セレブな感じ(失笑)。ま、ビルトインじゃなくて小型防水テレビ(SHARP SY-4000)なんだが。
Perfume関連で巡回しているうちに、はてなのブロガーさん達のブログに感化されて、はてなに興味を持ったのね。なんだろ、アンテナとかブックマークとかの機能がシームレスにブログと連携していて、自分のブログをポータルサイトとして利用するには最適だなって思いました。それに、「スター」。あれってコメントするまでも無いんだけど「スッゲえ同意!」っていう意思表示をしたい時に良いね、面白いと思う。
で、手始めにアンテナ受信をやってみたら思いのほか良くて、こりゃあ便利。そうこうしているウチに、ブックマークやら色々と手を染めてしまいました。
でも、ダイアリーへの移行は慎重に考えている。
とりあえず、ヘルプを見ながら、ウチの忍者屋敷をはてなのブクマ
まあ、あくまで実験です。忍者屋敷の住人で「はてな」に興味が有る人の参考になれば良いなと。
(BGM 「Prologue Of Life」:DAISHI DANCE feat. arvin homa aya)
追記:
はてなスターの動作条件を見る限りでは、忍者屋敷上では正しく動作してくれないようなので、スター外しました。だいたい、ソレはやりすぎだろ(笑)。
発売から1ヶ月近く経ちますが、ようやくレビューします。
「The Endless Polyrhythm Lovers(KGS MUSHUP) 」が一部のパフュ・ヲタの間でパーティアンセムとなっているらしいですが(ホントか?)、元ネタのCHERRYBOY FUNCTIONです。
今日は「CHERRYBOY FUNCTION EARLY WORKS 1999-2002」を紹介します。
タワレコに発注していたのですが、発送が遅れに遅れて、発売から2週間程経った12/8に到着しました。
ま、自分への誕生日プレゼントのつもりで受け取りましたけどね(笑)。それもこれも、一緒に発注していた、Hernan CattaneoのMixCD「Sequential-2」(輸入盤)が入荷に1ヶ月近くを要したからです。
(発注受けてからCDをプレスしていたのか?)
そんなこんなで、最近になってようやく「CHERRYBOY FUNCTION EARLY WORKS 1999-2002」をフルで聴きました。
感想は一言で「楽しい」です。
Something Electronicでも感じた「シニカルな陽気さ」でいっぱいですね。そもそもチェリーボーイって名前自体ふざけてるしね。
今作はEARLY WORKSなので、権田山一雄、K.G.& THE DIGITAL "X" TASY CREW、kunio matsushitaそれぞれの名義で発表された音源をセレクトしてコンパイルした内容。
全体を通して、ふざけんなってくらいに音がチープ。その「いなたさ」がまた良い。
中でも権田山一雄シリーズだね。8bitサウンド好きにはたまらないと思う。特に「鈍行列車にゆられて」が秀逸。イントロがとっても緩い。でも、パーカッションの音が被さって来る辺りから、いい感じのグルーブに包まれる。
それに「The Endless Lovers」のオリジナル(?)も切ないくらいにキュートなチップチューン。抱きしめてやりたくなるほど可愛いよ。
チェリーボーイ、やっぱ、ダタモノでは無い。紛れも無くクセモノ。
CHERRYBOY FUNCTION EARLY WORKS 1999-2002 <初回生産限定盤> (=>@TOWER.JP) | |
DISC [1] - CHERRYBOY FUNCTION EARLY WORKS 1999-2002 |
なお、初回盤には「2004-2007」の近作レア音源が収録されたCDがおまけで付いてます。こっちもかなりお奨めッス。カッケー!
(BGM 「鈍行列車にゆられて」:権田山一雄)
さんざん悩んで迷った挙句、アフィリエイト始めました。
始めた最大の理由は「ジャケ写探してアップするの面倒だな」って事なんですが(爆)。
だいたい、小遣い稼ぎをしようにも、パートナー契約したValue Commerceの最低報酬が月5,000円ですよ!
1年でもそんなの無理だと思う。
なので、そんな事は考えないで、自分が紹介した音源に興味を持ってくれた人の参考になる様に、詳細な商品情報を提供できればと思っています。
もっとも、音源の詳細な情報は、アーティストの公式サイトとかレーベルのサイトへ直接リンクを貼れば良いだけなのでしょうけどね。(許諾云々は別にして)
CD屋さんのアフィリエイトならジャケ写もそのままリンクできるし、該当の音源だけではなく関連商品の情報やレヴューとかも有るし、手っ取り早いなと思ってね。それでTOWER RECORDSのアフィリエイト・プログラムに参加する事にしました。
とりあえず、タワレコで扱っている音源の場合は、音源紹介エントリで「@TOWER.JP」の商品紹介ページへリンクを貼ってみました。
それにしても、「ウザくならないようにスマートにリンクを貼る」って難しいね。
そのうち、Cisco Recordsがアフィリエイト・プログラムを始めたら参加するかもしれません。
(BGM :「ポリリズム[Original Instrumental]」:Perfume)
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困った事にPerfume成分が多目です。彼女達の親御さんとは間違いなく同世代です。ちなみにP.T.A.会員です。
ホントに御免なさい。
御用命は「lstd_rd の yahoo.co.jp」まで。