昨日のエントリで「若いパフュヲタを煙に巻く」つもりが、自分のツールを探す旅になってしまったオッサンです。
「上田正樹とサウストゥサウス」をきっかけに60年代のR&Bやソウル、ブルースを聴くようになった、と言うところは前回のお話。結果として、その当時貪る様にして聴いたそれらの黒人音楽は、アタシの音楽体験に於ける嗜好の核となって行きました。
I Can't Turn You Loose - 上田正樹とサウストゥサウス
ファンキーソウルなセットでのサウストゥサウスの映像ってなかなかネットに上がっていないので、これは貴重かも。上田正樹とサウストゥサウスはラグタイムなブルースのセットと、ファンキーソウルなR&Bセットの2部構成でライブを行っていて、リリースされているアルバムもラグタイムな「ぼちぼちいこか」と、R&Bな「この熱い魂を伝えたいんや」の2枚のみ。両方ともアタシのバイブルになってます。
サウストゥサウス全盛の頃ってアタシは田舎の中学生だったので、当然ライブは体験していません。ちなみに、久本雅美はその頃サウストゥサウスのおっかけをやっていたそうです。その話を聞いて、年齢をサバ読んでいた事を見破ったアタシです。
I Can't Turn You Loose - Otis Redding
こちらは「I Can't Turn You Loose」の元祖、オーティス・レディングのもの。
オーティスは当時の俺にとって神様みたいなもんだった。
Soul Man - Sam & Dave
これはサム&デイヴのヒット曲「ソウル・マン」。
Hold on I'm coming - Sam & Dave
同じくサム&デイヴの「ホールド・オン」。これを聴くとなんか高まるなあ。
あれ、このライブ映像のリズム隊は「Booker T. & the M.G.'s」だよね?
だいたい、まあ、この辺りを色々と漁っていた中高生時代だったな。マディ・ウォーターズやバディ・ガイとかのシカゴブルースやスモーキー・ロビンソンとかのモータウンサウンドは、もうちょっと後になってから聴きだしたかもしれない。
ところで、その当時でもアルバム1枚の値段は今と変わらず2500円くらいしたからね。現在の貨幣価値だと5000円以上になるかもしれないね。だから、レコードなんてなかなか買えんかったのよ。もっとも中高生だから他にも必要なモノがたくさんあったしね。例えば、平凡パンチとか週間プレイボーイとか、アグネス・ラムとか大場久美子とか大場久美子とか大場久美子とか(ry
だから、音源蒐集ってのは、もっぱらNHKのFMをエアチェックしたり、AMのチャート番組や深夜放送、もちろんFENとか。つまり、ラジオが全てだったのね。ってこんな話が理解できるのは40代以上だろうけどね。
でも、70年代半ばで60年代の音楽を好んで聴いていた中高生ってね。KEN YOKOYAMAを聴いてハイスタまで遡って、エアジャム当時の日本のラウドロックを聴く事と変わらないか。って今、そんな中高生って居るのかなあ?
じゃ、最後に、自分の記憶を遡って、ルーツとも言える音楽を。
10歳の時だな。ラジオから流れてきたこの曲に異様に興奮した事を憶えている。この曲に出逢わなければその後に繋がる様々な音楽体験も無かったかもしれない。
Superstition (live on Sesame Street) - Stevie Wonder
「Booker T. & the M.G.'s」ってもワカンネーだろうな。40代でも名前を知っているかどうか。
先日、めざましテレビで、ガンと闘病中の忌野清志郎が来日中のBooker T. & the M.G.'sのブルーノート東京でのライブに飛び入りしたという話題を知り、 久々に「Booker T. & the M.G.'s」の名前を聞いて懐かしくなったのね。
Green Onions
これがBooker T. & the M.G.'s最大のヒット曲「Green Onions」だ。直訳すると「葱」。アルバムのジャケットには紛れも無く「ネギ」の写真が! こんなクールなブルースナンバー「ねぎ」に合わせて、若い娘達がキュートなフォーメーションダンスを披露しているところがなんとも良い感じだろう?
しかし、何で「ねぎ」なんだ?
Tic Tac Toe
つづいてこちらも、クールでファンキーなナンバー。モッズに良く似合うね。スウィンギング・ロンドンの時代にアメリカから輸入された「最新ビート」だったんだろうな。アシッドハウスに熱狂した80年代後半にも通じるかも。
(あ~、でもこの映像はネオモッズの時代だね。オリジナルの時代とはズレているね。)
Hip Hug Her
この曲は中学生の頃に地元のラジオ番組のテーマ曲として使われていて、初めて聴いた時はあまりのカッコ良さにおしっこちびりそうになった。Booker T. & the M.G.'sの曲の中で一番好き。
Booker T. & the M.G.'sは60年代~70年代前半に一世を風靡した、アメリカ最強のR&Bリズム・セクション。アタシは60年代は小学生なんで、当然リアルタイムで体験はしていないんだけど、中学~高校にかけてブルースやR&Bにハマっていて、ラジオで聴いた「Hip Hug Her」をきっかけにBooker T. & the M.G.'sを聴くようになった。
その当時は「上田正樹とサウス・トゥ・サウス」とか大好きでね。俺もギターをやっていたから有山じゅんじみたいなブルースマンになりたくて、「ブルースやるなら大阪やな」ゆうて大阪の大学進学を画策したりもした。アホやったなあ。話が逸れたね。
Booker T. & the M.G.'sの音って、音数は少なくてシンプルなんだけど、クールでファンキーでしょ。特に「Hip Hug Her」を聴いていると、グルーヴ感ってのは「音」そのものではなく音と音の行間にある「間」なのではないかと思えてくるね。
Booker T. & the M.G.'sは、自身の活動の他に様々なアーティストのバッキングを行ったり、ギターのSteve CropperとベースのDonald "Duck" Dunnがブルースブラザーズに参加したり、Steve CropperはJeff Beck Groupのプロデュースをしたりと、多方面に活躍。アタシとしてはめっきり御無沙汰。今回Youtubeでネタを探して何年振りかに音を聴いた。まだ、活動していたんだねってのが素直な印象。申し訳ない。
11月も終わりますね。
今月は楽しいイベントがありました。そっちでお金を使ったので、音源入手は少なめです。
では、お馴染みメモ。
CD :
「Dream Fighter」 : Perfume (->)
「Contact」 : 福富幸宏 (->)
12" :
「EVOUH」 : PRYDA (->)
「Laget ?」 : Cirez D (*1)
DL :
「Plug」(album) : mophONE (->)
「Wait feat. Robert Manos - Original Mix」(track) : Terry Lee Brown Junior (*2)
「Wait feat. Robert Manos - Nacho Marco Remix」(track) : Terry Lee Brown Junior (*2)
「Wait feat. Robert Manos - Nacho Marco Dub Mix」(track) : Terry Lee Brown Junior (*2)
「Wait feat. Robert Manos - Sendos Fuera Remix」(track) : Terry Lee Brown Junior (*2)
Free DL :
「Blue Orchid (High Contrast Remix)」(track) : The White Stripes (*3)
Rental :
「C.O.P.Y」 : Aira Mitsuki (*4)
「ロボットハニー」 : Aira Mitsuki (*4)
解説 :
(*1) Cirez D は PRYDA同様にEric Prydzの別名義。「Laget ?」は綺麗めなテックトラック。
(*2) もうTerry Lee Brown Juniorのこの曲が大好きで、国内盤の「SOFTPACK」に収録されていないWaitのオリジナルトラックをダウンロードするつもりが、国内盤のNacho Marco Remixも含めてリミックス違いで何種類もDLしてしまった。いいお客さんだな。
(*3) The White Stripesの「Blue Orchid」をHigh ContrastがRemix。High ContrastはLondon Elektricityが主催するHospital Recordsの看板アーティスト。
ちなみにThe White Stripesのオリジナルは聴いたことは無い(爆)。
(*4)「『C.O.P.Y』は世界中のPCのハードディスク上にコピーが増殖する事こそが、本来あるべき正しい姿だろう」と勘違いも甚だしい拘りで、「配信音源をダウンロードするんだから」と意気込んでみたものの、完全に機会を逸して数ヶ月。先日、地元のTSUTAYAでAiraプッシュ中に遭遇しレンタル。別の意味でのコピーを(ry
時間が無くてまだじっくりと聴き込んでいないんだけど、なんか凄いものに出逢ったなって印象。
例えば、Perfumeはヤスタカがインタビュー(http://www.pia.co.jp/interview/22/index.php)で語っている通り、「セレクトショップではなくデパートで売ってるレベルの奇抜な服、みたいな(笑)。」なんである。
アタシはPerfumeの曲ってテクノやハウスそのものではなく、ガールズ(アイドル)ポップをクラブミュージック風に味付けしたJ-POPフィールドの音だと思っている。今回、作者本人が解説してくれて、アタシの分析を確かなものにしてくれた。Perfumeは、今までもそしてこれからも「デパートで売られる服」なのだと思う。ほんの一瞬「モノホンのテクノやハウスをやってくれないかなあ」と妄想もしてみたが、今回のDream Fighterのリリースは「デパートでもっと条件の良い売り場に進出するから」という決意の表れに感じたので、もう変な期待をする事は諦めようと思う。だって、伊勢丹、三越、高島屋なんだもの。十分だろ。それに、イトーヨーカドーでもしまむらでもユニクロでもないんだから。
一方、Aira Mitsukiはどうだろう。彼女(の陣営)は、間違いなくセレクトショップを目指している。それも、一般人にはかなり敷居の高いショップだ。(高級とかハイセンスとかではなく、特異という意味で。)
Aira Mitsukiを「Perfumeのフォロワーだろ」と言う人が居るが、そもそも目指す方向が違うのだから、この発言は全く本質を捉えていない事になる。さらに付け加えて言うのなら、アイドルとしてPerfumeがやれなかった(やらなかった)事をフォローしている存在でもある。フリーレイヴに出演したり、「Swallotail D.A.N.C.E (Cherryboy function ver.)」の様なそのままフロアで使えるトラックがアルバムに収録されるアイドルがAira Mitsukiなのだから。Perfumeが中田と組んでいる限りはこんな事は絶対に出来ないだろう。
アイラはマジでイビザを目指して欲しい。アムネシアの朝方、天井から泡が降り注ぐ時間に登場して、ヨーロッパのパーティピープルの度肝を抜いて欲しい。その時は冥土の土産で俺も現場に行くから。
参考資料:
Perfume - Dream Fighter
Cirez D - Laget? (Original Mix)
Terry Lee Brown Junior - Wait (Original Mix)
The White Stripes - Blue Orchid (High Contrast Rmx)
Aira Mitsuki - Swallowtail D.A.N.C.E
やっぱ、コッチに差し替えました。
アダルティですね。
今日のエントリは福富幸宏のアルバム「CONTACT」です。
http://www.myspace.com/yukihirofukutomi
どうですか、この落ち着きと艶。大人の音色。これこそAORでしょう。いや、ロックではないので、AOM(Adult-oriented Music)と呼ぶべきでしょうか。
アダルト・オリエンテッド・テクノであり、アダルト・オリエンテッド・ミニマルであり、アダルト・オリエンテッド・ハウスやアダルト・オリエンテッド・ジャズ。
業界の大ベテラン福富幸宏が贈る「オッサンの、オッサンによる、オッサンのためのクラブミュージック」です。
Yukihiro Fukutomi"CONTACT"
「CONTACT」 : 福富幸宏 (->@TOWER.JP) |
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Track List |
このアルバム「CONTACT」は、様々な表情を持ったバラエティに富んだ内容で、福富幸宏の美意識に彩られた「大人な」色使い。
ミニマル~テクノな1~2~3。ハウス~ファンクな4~5~6。テックハウスな7~8。そしてジャズな9~10。
シンプルでエレガントな渋めのトラックがとても良い流れで展開して行きます。それはまるで美しい風景画を眺めているような感覚でした。
この人は20年近く業界で活躍している大ベテランですね(*1)。
でも、業界の重鎮なんだから、FOOGやEQUIPとか別名義を名乗って「ぽっと出の新人です」って覆面でリリースするのはどうなんですかね。明らかな若手潰しじゃないですか、オトナゲナイ(笑)。
いやいや、伊達公子みたいにベテランが進んでシーンを活性化させようとしているって考えようか。
注釈:
(*1) っても、アタシが福富幸宏を聴き始めたのはFOOG名義のリリースからなので、つい最近なんですがね。ド新参。
今日のエントリはドラムンベースです。
10月にリリースされたLondon Elektricityの新作「Syncopated City」です。
輸入盤は9月くらいから入手出来たのですが、国内盤がリリースされるまで待っていました。それは、ボーナストラックとしてアルバムのリードトラックである「Just One Second」の野宮真貴ヴァージョンが収録されているから。それも、従来のトラックを野宮真貴に差し替えて、オリジナルトラックを欄外に押しやるというほどステキな出来栄え。残念な事にYoutube等に音源が公開されていないので紹介する事は出来ませんが、Third-Ear (http://thirdear.s12.coreserver.jp/releases/syncopated_city/)や、@TOWER.JP、iTSで試聴出来るので聴いてみて!
例によって、アルバム「Syncopated City」から色々と貼っておきます。
London Elektricity 'All Hell Is Breaking Loose'
Just One Second |
Southeastern Dream |
Maybe I Was Wrong |
Syncopated City Revisited |
「Syncopated City」 : London Elektricity (->@TOWER.JP) |
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Track List |
以前のエントリでも書いたんですが、ドラムンベースは10年くらい前にちょっとだけハマった事がありました。
その頃はGoldieとかAdam F辺りの有名所を中心に聴いていただけで、シーンを詳しく掘り下げるようなところまでは行かなかったんですよね。London Elektricityは完全にスルーしていたし。
ドラムンベースも先日のエントリで取り上げたビッグビート同様、2000年以降に廃れてしまったジャンルではあるなあ。GoldieもAdam Fも消息不明だし。でもRoni Sizeはコンスタントにリリースを続けているみたい。
最近になってLondon Elektricityにハマっているのは、自分が何故ドラムンが好きだったのかを再確認したからなんですね。どうやら自分は「ドラムン = JAZZ」だと思って聴いている様です。ドラムン(ジャングル)ってソウル、ファンク、ロック、ラテンなどありとあらゆるジャンルとの親和性が極めて高いフォーマットだと思うのですが、その中でも特にJAZZが奇跡的にハマる気がしています。
London Elektricityを聴いていると、JAZZのビッグバンドが目の前で演奏している様なライブ感を感じるときがあるのですが、好きな理由はたぶんその部分なのだと思います。
この先、ドラムンのシーンにコミットする気は特に無いのですが、London Elektricityのリリースを追いかけたり、冨田恵一 feat.稲森寿世がオリコンの99位内に入る事を願いながら、のほほんと流れを見ていようかなと思います。
追記:
DRUM & BASS SESSIONS 2008 - HOSPITAL NIGHT -
LONDON ELEKTRICITY "SYNCOPATED CITY" release party
(http://www.unit-tokyo.com/schedule/2008/12/20/_081220_dbs.php)
地方在住のおじいちゃんは行けないけど、お近くの方は是非。で、行った人はレポよろしくですw
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困った事にPerfume成分が多目です。彼女達の親御さんとは間違いなく同世代です。ちなみにP.T.A.会員です。
ホントに御免なさい。
御用命は「lstd_rd の yahoo.co.jp」まで。